こんにちは(*^-^*)
前回に引き続き、生・性教育出前授業後にいただいた質問への回答&お子さん達へのメッセージをお届けします。
私が行う生・性教育は、体のこととあわせてこころの話や人間関係(親、友人、恋人など)のことを取り上げるので、いろいろな質問がきます。
今回は、思春期、親子関係に関する質問回答です。
【今回の質問】
1.思春期のことがもう少し知りたいです。どんなことが起こりますか?
(小6男子生徒さんより)
2.親が自分に対してと、きょうだいに対して明らかに接し方がちがう気がして
ちょっとイライラします。
そんな時、どうすればいいですか?(中1女子生徒さんより)
【質問】思春期のことがもう少し知りたいです。どんなことが起こりますか?(小6男子生徒さんより)
【こたえ】
自分のこころと体に興味(きょうみ)をもつことは、とても大切ですね。
成長や、成長をどう感じるかは「個人差~こじんさ~」が大きくあります。
情報(じょうほう)を知って、自分はどうなかなと自分をみつめてみてくださいね。
体のことや、心配事があって、悩んだら、親や学校の先生、友達に相談してみてくださいね(*^-^*)
🌸思春期に起こりうること🌸
思春期になると、二次性徴(にじせいちょう)といって大人のこころや体に近づく変化が始まります。
身長・体重が増えるだけではなく、内蔵(ないぞう)や脳(のう)も発達していきます。
そうすると、性ホルモン(男性ホルモン・女性ホルモン)や、成長ホルモンなど、様々なホルモンも出てきて
体に変化が起こります。
〇男子の体の変化〇
・肩幅(かたはば)が広くなる
・筋肉(きんにく)が発達してがっちりした体つきになる
・声変わりする
・ひげ、わき毛、すね毛、陰毛(いんもう)などが生えてくる
・精通(せいつう)が起こる など
〇女子の体の変化〇
・体に脂肪(しぼう)がつき、おなかや腰幅(こしはば)が広くふっくらしてくる
・胸がふくらむ
・ わき毛、すね毛、陰毛(いんもう)などが生えてくる
・月経が始まる など
自分自身に関心が向き、他の人からどう見られているか、他の人と比べて「遅れているのでは」と悩むことも
よくあります。
≪男子の体に関する悩み(例)≫
・身長が低い
・体が細い
・ニキビが出てきた
・性器(せいき)が大きい、小さい、色や形が気になる
・運動ができない など
≪女子の体に関する悩み(例)≫
・身長が高い、低い
・太ってきた
・胸が大きい、小さい
・体毛が気になる
・ニキビが出てきた
・生理痛がある、おりものが出てきた など
変化を起こり始める部位や年齢はひとりひとりちがいます。
大人になっても背が高い人、低い人がいるように、個人差があります。
世の中で自分と同じ人は一人もいません。
うまれもった体質や、悩んでもどうにもならない人との違いは
「欠点」ではなく、「個性」や「自分らしさ」として受け止められるといいですね。
*思春期のこころと体の変化については、中学校でもう少しくわしく学べます。
小学校高学年~中学生の一年一年の変化は大きいです。
成長、変化とともに、体のことを知っていきましょう。
もう少し体の話を知りたい、同じ年代の人がどんな悩みがあるのか知りたいと思ったら、
こちらのサイトを参考にしてみてください。
家庭ではじめる性教育サイト「命育」|ママ×医師専門家による性の情報・教え方 (meiiku.com)
思春期のこころの変化
思春期は、体だけでなく、こころも育ちます。
小学1,2年ころは考えてもみなかったことを考えるようになったり、親や友達との関係に
悩むことも出てきます。
悩んでいいです。
こころが育ち、いろいろなことに気がつくようになってきた、人の気持ちを想像するようになってきた、
自分はどんな人間なんだろう、なんでイライラするんだろう・・・いっぱい考えてみてください。
悩みに気がついた!まずは、それでマル (*^-^*)
こころの成長です!
ここで、生徒さんからいただいた質問に答えつつ、
思春期のこころの変化として起こりうること・どんな風に過ごしたらいいのかというお話をします。
私の考えは、一つの考え方です。 世の中には、たくさんの考え方があります。
良かったら、他の大人や友達の考え方も聴いてみてくださいね。
【質問】親が自分に対してと、きょうだいに対して明らかに接し方がちがう気がしてちょっとイライラします。そんな時、どうすればいいですか?(中1女子生徒さんより)
【こたえ】
そうですか。お父さん、お母さんの関わりに気になることがあるのですね。
自分と接するときは、親御さんはどんな感じですか?きょうだいにはどうでしょう。
そのことで、どんな気持ちがしますか?悲しい、さみしい気持ちがしますか?
「イライラする」という感情が出るのは、もとの感情に「わかってもらいたいのに、わかってもらえない悲しみ」や「さみしさ」があることが多いです。
産まれたての赤ちゃんは言葉が話せないので「おなかがすいた・オムツを替えてほしい・抱っこしてほしい」という欲求を全身で泣いて訴えます。泣いた赤ちゃんを大人は抱っこして優しい声かけをしてお世話すると安心して、赤ちゃんは落ち着きます。
こころは、どんな自分も受け入れてもらえるという安心感を得ることで育ちます。
思春期は、言葉は話せるようになっても、言いたいことをうまく言えないこともあったり、勉強のこと、
部活のこと、友達関係も変わってきて多くの気づかいをするので、家ではホッとしたい。
赤ちゃんのような甘え方はできないけど、身近な誰か(親・祖父母・先生・友達)に、優しい声をかけてもらいたい、怒るばかりでなく静かに見守ってほしいという甘え方で、安心感を得たい時です。
もし、お話ができそうであれば、
お父さん、お母さんに、
「自分にはこんな感じで接するけど、きょうだいにはこう接するよね。
その時、自分はこんな気持ちがするんだ。」と言ってみるのもいいと思います。
もしかしたら、お姉ちゃんとしてがんばり屋のお子さんをもつ親御さんは、
「お姉ちゃんはしっかりしてるから、一人で大丈夫。」
「“こまった”ということも言わないから、特に問題ないかな。」と思っているかもしれません。
勇気をもって気持ちを言ってみると、そんなことを思っていたのね!気がつかなくてごめんね。と、
親御さんはハッとするかもしれません。
親でも、なかなか自分の子どもの本当の気持ちがわからないことがあります。
話した後、もし何か困ったことがあったら信頼できる大人や友達に相談してみてください。
そうはいっても、親にはうまく話せなさそう、誰にも言えそうにない。
だけど、モヤモヤする気持ちがなくならないようでしたら、こんなワークをやってみてください。
「自分の本当の気持ち」を書き出すワーク
例)~親子関係~
今日あったこと
お母さんは、自分には自分のことは自分でやりなさいと言うけど、
弟には「お母さんと一緒にやろうね。」と宿題をみている。
その時の自分の気持ち
「なんで、お姉ちゃんなんだからしっかりしなさい。」「自分のことは自分でやりなさい。」
「女の子なんだから家事も手伝いなさい。」と言われるのだろう。
お母さんは、弟にはやさしいのに、自分には冷たい気がする。悲しい。
こんな風だったらいいなと思うこと
「がんばりなさい」だけじゃなくて、「がんばったね」と認めてほしい。
弟にだけじゃなくて、私にもやさしくしてほしい。
~友達関係~
今日あったこと
友達との会話で、自分の思ったことを言えなかった。笑いたくないのに笑っていた。
その時の自分の気持ち
本当は、違う意見を言いたかった。だけど、その場の雰囲気(ふんいき)が悪くなる気がして言えなかった。
家に帰ってきたら気持ちが落ち込んだ。
こんな風だったらいいなと思うこと・自分へのメッセージ
大勢の前では本当の気持ちを言えないけど、○○さんと二人のときに話をきいてもらえたら嬉しい。
自分に自信がないから、今は人と違うことを言う勇気がない。
すぐに解決(かいけつ)できないときは、「悩みに気づいたこと、それだけでいい」と聞いた。
自分の意見を言える人がどんな風に言っているのか見て、参考にしよう。
自分のペースでやっていこう。
自分と自分で会話する感じで、書いてみる。書いて気持ちがスッキリすることがあります。
皆さんは、体の成長とあわせて、こころも育っています。
いろいろ考えること、悩むことも出てきます。考えることも、悩むことも全部無駄(むだ)ではありません。
悲しい、つらい思いをした人は、だれかの悲しみやつらさを気づくことができます。
悩むのは、それだけ、何かをがんばっているからです。
自分を理解すること、まわりとうまくコミュニケーションをとっていくことは、
いろいろな経験をしながら、だんだんできていきます。
大人も完璧(かんぺき)ではないので、悩みます。
喜びを誰かと分かち合うと、より大きな喜びになります。
悲しみや苦しみを誰かと分かち合うと、気持ちが楽になります。
嬉しいも楽しいも、悲しみもつらさも分かち合える誰かに出会えることを願います。