前回のブログに、小・中・高校生の皆さんへの生・性教育出前授業時に、
「皆さんは、自分はうまれてきてよかったと思いますか?」
「自分のことが好きですか?」
「自分は大切な存在だと思いますか?」 といった質問を
生徒さんに投げかけた時の様子のお話を書きました。
さて。
同じように、大人の自分がこれらの質問を投げかけられたらどうでしょう?
笑顔で「はい!!」ですか?
しばらく考えた後、少し首をかしげながら「どちらかと言えば、思えます。」ですか?
「日によって違います。」「自分のことは、好きなところも嫌いなところもあります。」ですか?
「全然思えません。」「自分のことが嫌でたまらない・・・。」ですか?
生きていればいろいろなことがあります。
○か×か。0か100か。好きか嫌いか。とはっきり言えるときも言えない時もあります。
自己肯定感に関しても、いつでもどんな時でも、はっきり自分は肯定感が高いです!と言えなくても、いいものだと思います。
自己肯定感は、年齢を重ねるうちに自然に高まるものではなく、
自分のいいところをほめてもらうだけでなく、自分の悪いところ、ダメなところなどネガティブで不完全な自分も受け入れてもらって、はじめて高まります。
失敗しても、それを受け入れてもらって、安心でき、自分の存在を認められます。
大人も【もと子ども】です。
すべての人が、生みの親、育ての親、親代わりの誰かに育てられて生きてきました。
学生時代や家でも真面目、優等生、いい子は、大人から褒められませんでしたか?
基本、子どもは親やまわりの大人に喜んでもらうことに一生懸命です。認められたい。ほめられたい。
いい子だねと言ってもらいたい。親を悲しませたくない、期待を裏切りたくないとがんばります。
親も親で、「無事にうまれてくれてありがとう!!」の後からは、「首は座るのか」「ハイハイするのか」「ご飯は食べるのか」「素直で優しい子なのか」「家の手伝いはするのか」「勉強はできるのか」「スポーツはできるのか」など、
だんだん、【存在そのものへ感謝】よりも【能力への期待】が増えていくことがあります(-_-;)
子どもは、期待にこたえようとがんばる→親はもっと期待する→子どもはもっともっとがんばる
→親はもっともっと期待する・・・。
これは、期待にこたえられるときはいいですが、がんばっても期待通りの結果が出ないときや、お子さんの自我が育ち【親の価値観】と【自分の価値観】の違いを感じ始めると、うまくいかなくなります。
本来、親子でも、夫婦でも、恋人でも、友達でも、相手は自分の所有物ではないので
【いいと思うことが同じ】ことも【違う】こともあります。
しかし、身近な人には自分のことを分かってほしい!相手を自分の思い通りにしたい!・・・と
期待が大きくなるので、うまくいかなくなりこころがざわつきます。
こころがざわつくと・・・
「もう何もかも投げ出したくなった」「体がボロボロで動けない」「まわりへのイライラが収まらずにキツい言動がヒートアップする。感情爆発後の自己嫌悪に苦しむ」ことが起こります。
そんな時は、どうぞ、「がんばること☆タイム☆」してください。
ちょっと勇気がいるかもしれませんが、時にはタイムです(^○^) 小さなことでいいのです。今まで全部引き受けてきた頼まれ事、誘われ事を断ってみる。疲れているのに家事を完璧にやろうとしない。束の間でも自分だけの時間をもつ。など。
大きく息を吸って吐いて、深呼吸を繰り返し、誰かに話を聴いてもらってください。問題は今すぐ消えなくても、ありのままこんなことがあった、どんな気持ちがしたと話を聴いてもらうと、ちょっとこころが軽くなります(*^-^*)
以前、小児科医師・開業助産師・養護教諭の先生と、ある小学校で保護者や教員の皆様向けに
「思春期のお子さんとの関わり方」についての講演会(シンポジウム形式)をさせていただいたことがあります。
保護者皆様から事前アンケートでお子さんに関する心配事・知りたいことを聴取し、
それに答えつつ、小児科医師より思春期レクチャーあり、各演者からのメッセージを伝えました。
開業助産師からは
「どうか、これだけはお願いです。お子さんに”あなたなんてうまなければよかった”・・・この言葉だけは絶対に言わないでください!」と、思いのこもったメッセージがありました。
一瞬、会場が静まった後に、小児科医師から、
「ただね、親も完璧な人はいないんです。仕事も育児も、毎日がんばっている人が多いです。
子育て中は、言ってはいけないと分かっていても、子どもを悲しませてしまうことを言ってしまう切羽詰まることは誰にでもあります。親、特にお母さんという人だけに子育ての責任を負わせることがないよう、まわりも理解・サポートしていくことが大切なんです。」と、温かな気持ちを添えてくださいました。
いろいろなことを考える機会でした。
自己肯定感は、【無条件】で、自分は自分でいいと思える感覚です。
ありのまま、そのままの自分を認め、受け入れることができることです。
自己肯定感を高めるノウハウはネットなどで調べられます。講座などを受けて高め方(やり方)を知って、何度かチャレンジし、なかなか自分を肯定できないときは、ここもチャレンジタイムです。
一旦、いろいろ考えるのをやめて、試しに物事が好転していくことばを、できたら声に出して繰り返してつぶやいてみてください。ピンチな状況のときこそ「順調」と言ってみる。
できるか心配なときこそ「大丈夫」と言ってみる。言葉にこころを込めてつぶやいてみる。
言霊の力を借りてみるのもSOSを出しづらい人にはおすすめです(o^^o)
次回のブログで、ことばの力について書きます。
ではっ。