思春期のお子さん向けのお話は、またの機会に書いていきますね。
今回は、テーマをガラッと変えて、大人の人間関係についてのお話です。
「夫源病:ふげんびょう」と読みます。
知っている人も多いのではないでしょうか。
この言葉は、男性更年期外来を開設され、多くの患者さんやご家族と対話されてきた
医師の石蔵文信先生が考案された疾病概念です。(医学的な病名ではありません)
【目次】
2.夫源病のサイン
3.夫源病セルフチェック
4.〇源病
5.夫源病解決法
夫源病:夫の何気ない言動に対する不平や不満、あるいは夫の存在そのものが
強いストレスになり様々な症状を起こすもの。
(ドキッとする表現ですが、「その通り!」「私はそれです!」という女性がいらっしゃるのも事実です (;^ω^))
具体的な症状は、頭痛、めまい、耳鳴り、動悸、食欲不振、吐き気、胃痛、不眠、慢性肩こり、倦怠感など・・・。
これらの症状は、コロナ疲れ、女性ホルモンバランスの影響(PMS、更年期)、自律神経の不調時に起こる症状にも似ています。
夫源病は必ずしも更年期の女性だけに見られる症状ではなく、20~30代の若い世代や60代の女性にもみられます。夫(パートナー)を持つ女性なら、誰でも夫源病になる可能性があります。
このような症状を思い当たりませんか?
- 家に帰りたくない、家に帰るとゆううつになる。
- 夫が家にいる週末は頭痛や胃痛がする。
- 夫の言動にイライラするので関わりたくないが、気が付くといつも夫の顔色を気にしている。
怒られるのが怖い。機嫌が悪くなるのが怖い。
- 夫に毎日ダメ出しされ、動悸が始まり、唾が飲みこみにくくなった。熟睡できない。
- 耳鳴りやめまいに悩んでいたが、夫が長期出張に出たら治った。 など
出張などで夫が不在のときには症状が出ない(軽くなる)、夫の言動によってその症状が重くなる、
などの因果関係に心当たりがある場合は、夫源病の疑いが濃厚です。
3.夫源病セルフチェック
妻の側にも夫源病になりやすいタイプというのがあります。
次の項目に当てはまるものが多い女性は、注意が必要です。
- 我慢強くて弱音を吐かない(吐けない)
- 几帳面で責任感が強く、仕事や家事に手が抜けない
- 感情を表に出すのが苦手で、人前で怒ったり泣いたりできない
- 人に意見するのが苦手で、理不尽なことを言われても反論できない
- 「いい妻」「いい母親」でありたいという意識が強い
- 外面や世間体が気になる
- 細かいことをクヨクヨと気に病む性格だ
上記に当てはまるタイプの人は、ストレスを抱え込んでしまいがちです。
いわゆる良妻賢母タイプの方は「これくらいのことは、我慢しなければ…」
「夫に従うのは妻として当然の務め」 などと思いがちです。
そのため、夫に対する不満を否定して、知らず知らずのうちに大きなストレスをため込んでしまいます。
また、「いい妻」「いい母親」でありたいという意識が高過ぎる人は、
夫や子どもに対しても時に「いい夫」「いい子ども」であってもらいたいと過大に期待しますので、
それが満たされないことがかえって自分自身のストレスとなる場合もあります。
4.〇源病
夫源病←「夫」の部分を、「恋人」「父」「母」「舅」「姑」「上司」など、
様々なキーワードに置き換えることもできます。
体調不良を感じ、医療機関を受診したものの、原因がはっきりしない。検査結果は問題なし。
一応の(念のため!?)の薬の処方はあっても調子が良くならない・・・といったときは、
自分を取り巻く環境を全体的にみてください。
人生の幸福の質を決める 【3つの間】
💛誰と【人 間 関係】 💛どこで【空 間】 💛どんな風に【時 間】
を どう過ごすかです。
この3つの間を見直すことをおすすめです。
本当は、嫌でたまらないけれど、何らかの理由で自分の正直な気持ちを見ぬふりしていると、
「悲しい」「傷ついた」「つらい」「腹が立つ」「わかってほしい」「認めてほしい」思いが体に現れます。
本音が言えなくて我慢していても、体には正直に、こころのSOSが出てきます。
💛 自分の体は、自分の最高の相棒であり、味方です 💛
体調不良がないに越したことはないですが、もしおつらく感じたなら、
それは、今まで無我夢中で生きてきた人生を見直すのにばっちりなタイミングでもあります(*^^)v
今の状態になって、どんな気持ちなのかを、言葉に出してみてください。
誰か聴いてくれそうな人がいたら、ありのままの胸の内を聴いてもらってください。
「“いい、悪い”“正しい、間違っている”抜きに、ただただ話を聴いてもらってください。
誰かに話すことで、自分の気持ちが理解できます。
人には言いたくない、話す人が身近にいないようでしたら
自分と自分で話してみてください。
紙に書いてみてもいいです。
「こんな状態がずっと続くのか・・・。治らなかったらどうしよう・・・。」
「できる自分でないと価値がない。弱音を吐いちゃいけない。がんばるのが自分。立ち止まるのが怖い・・・。」
「仕事中は無理して元気に振る舞っているけど、家に帰ってきたら体が鉛のように重くて何もできない・・・。」
「もう限界。仕事をやめたい。」
「こどもには心配かけたくない。」
「休みたい、体がつらいと言っても夫は優しい言葉一つかけてくれない。
家事をしなきゃいけない、休んじゃいけない。夫の機嫌が悪くなる。」
「離婚したいけれど、お金がない・・・。」
解決は焦らなくていいので、まずは、自分の正直な気持ちを表出できたらと願います。
もう、十分がんばってきたのです。
妻でも、母でも、嫁でも、娘でも、仕事の役割でもなく、
“一人の私”の気持ちに気づくといい方向に向かっていきます。
本音に気づいたらどうしたらいいのか・・・。このお話は、またゆっくりと。(*^-^*)
5.夫源病解決方法
夫源病という言葉の生みの親である石蔵文信先生の著書『妻の病気の9割は夫がつくる』の中に、
こんな文章があります。
「男性更年期障害の治療が半年から2年ほどかかるのに対し、夫源病の女性の大半は3カ月以内に症状が改善します。治療の第一ステップは、私が聞き役になり、夫に対する愚痴や不満をすべて吐き出してもらうことです。これだけで8割がた快方に向かいます。なかには「夫をだんだん嫌いになる自分が許せない」と自分を責める人もいますが、いくら夫を愛していようと、長年いっしょに生活するうちに不平や不満はたまるものです。罪悪感を抱く必要はありません。「100%理想どおりで、嫌いなところはゼロ」という相手など存在しません。家族というものは、自分の子どもであろうと親・兄弟であろうと、だいたい8割くらいはうざったいものです。2割はかわいい、愛しいと思えるところがあるから、ずっとつきあっていけるのです。」
本当に、その通りです。 うなづきまくりです(笑)
困ったことが起きた時は、すぐに解決したいので、必死に解決策を探りますが、
どうぞ、その前に、洗いざらい、愚痴でも不平不満でも、吐き出しちゃいましょう。
いらないものを『出す』から、いいものが『入る』のです♪
◇解決法あれこれ◇
- 感情を吐き出す、話を聴いてもらう(夫、友達、カウンセラーなど)、言えないときは紙に書き出す。
- プチげんか:反論せず耐え忍んできた人こそ、勇気を出して「嫌なことは嫌」「ダメなものはダメ」と伝えてみる。夫も反論してきたら、お互いに感情を吐き出す。
- ある程度感情を吐き出して、少し気持ちが落ち着いたら、自分の要求の伝え方を工夫してみる。
ダメ出しではなく「やってくれたら嬉しい」に変える。
例)「どうして、いつもかたづけられないの!」→「あなたも仕事で疲れているだろうけど、自分で出したものは
元の場所にしまってくれると嬉しい(ありがたい)。」 など
- プチ別居:夫が黙り込んでプチげんかが成立しなかったり、「そばにいるのも不快」というほどに妻の嫌悪感が増大しているとき→一時的にでも夫から距離を置くことがおすすめ。
- ストレス解消法を実践する
車中や一人になれる場所で、言いたいことを叫んだり、歌ったり、泣いたりする。
YouTubeなどのボクササイズ動画を見てパンチの動作を繰り返す。言いたいことを紙に書いて破る。
- 秘密を持つ
夫に内緒で少し贅沢な買い物をする、豪華なランチを食べる…など。ちょっとした罪悪感があると、夫に対しても優しく穏やかな気持ちになれます。
コロナの出現により、外出制限、休校、在宅勤務が増えたりと、家族が家で顔を合わせる時間が増えました。
働きづめだった人が休息を取れたり、家族とご飯を食べたり、家時間でホッとするいい機会になることもあります。
ただ、「亭主(奥さん!?)(こども!?)元気で留守がいい」という言葉があるように、
家族であっても何から何まで一緒で、まして炊事・洗濯・掃除は女性がやって当たり前のままで、
在宅時間が増えると・・・女性の疲れもイライラも爆発するのは容易に想像できます。
近い関係な人とこそ、適度な距離感が必要です。
どうぞ、いい距離感が保てますように🌸